山口貴由先生の描く漫画『シグルイ』は、その凄惨な描写と哲学的な深みで読者に強い衝撃を与え、今なお多くのファンを持つ作品です。この作品を読んだ方の中には、物語に続編あるのか?と気になっている方もいらっしゃるでしょう。
また、作品の元となったシグルイ 原作はどのような内容なのか、漫画のシグルイは何巻までありますかといった基本的なこと、衝撃的なシグルイ 結末とその後の展開、すなわちシグルイ その後がどうなるのかについても、深く知りたいと思っているかもしれません。この記事では、これらの疑問にお答えし、シグルイ 続編の可能性とともに、作品を多角的に解説します。
- シグルイの漫画版とアニメ版それぞれの続編に関する現在の状況
- 漫画版が続編を描かずに完結した背景とその最終回の持つ意味
- 原作小説に描かれている漫画版にはない藤木源之助のその後の物語
- 作者山口貴由の現在の活動状況から見るシグルイ続編の可能性
シグルイの続編は存在する?
武士道はシグルイなり。#シグルイ#自民党 pic.twitter.com/QNpsMj5egI
— 天上縊死 (@CoastSkinhead) April 15, 2025
- 漫画・アニメの続編はある?
- 漫画完結後のその後
- 原作にあるその後の物語
- 作者山口貴由先生の新作は?
漫画・アニメの続編はある?
『シグルイ』の公式な続編についてお探しの場合、結論から申し上げますと、漫画版、アニメ版ともに現在のところ続編は発表されていません。 漫画『シグルイ』は、2010年に「チャンピオンRED」での約7年間の連載を終え、単行本も全15巻で完結しました。この漫画は、原作小説『駿河城御前試合』の第一話「無明逆流れ」を基に、藤木源之助と伊良子清玄という二人の剣士の壮絶な因縁の物語を描き切り、最終巻で物語としては一つの結末を迎えています。
連載終了から既に10年以上という長い歳月が経過しており、後述するように作者の山口貴由先生も現在は他の作品の執筆に注力されている状況ですので、今後漫画版の直接の続編が新たに描かれる可能性は極めて低いと考えられます。
一方、アニメ版『シグルイ』は、2007年に全12話で放送されました。アニメーション制作はマッドハウス、監督は浜崎博嗣氏が担当し、原作漫画の凄惨な描写を再現して注目を集めましたが、原作漫画の物語を最後まで描くことなく終了しています。
アニメで描かれたのは、伊良子清玄が「無明逆流れ」という技を会得する場面あたりまでで、漫画版の約7巻までの内容に相当するとされています。そのため、アニメの放送終了後、物語の続きや藤木と伊良子の最終決戦がアニメで見たいという声はファンの間にはありますが、残念ながらこちらも放送から長い年月が経った現在(2025年4月)まで、続編制作の発表は一切ありません。
アニメの物語としては途中のままとなっていますが、続編が制作される具体的な見通しは立っていないのが現状です。
漫画完結後のその後
シグルイの魅力を伝えるには
見開きで事足りる pic.twitter.com/ZP0fTJ7nzA— おかダ (@jacky_lei0408) April 11, 2025
漫画『シグルイ』は、藤木源之助が伊良子清玄との御前試合に勝利し、その後に起こる悲劇(三重の自害など)を経て物語が完結しています。漫画版における藤木の物語は、この悲劇的な結末をもって一区切りついており、『シグルイ』という漫画作品自体には、その後の出来事は描かれていません。藤木の物語は、あの最終シーンをもって幕を閉じています。
原作にあるその後の物語
漫画『シグルイ』の原作である南條範夫氏の短編小説集『駿河城御前試合』には、漫画が基にした第一話「無明逆流れ」以外にも、御前試合に関わる他の剣士たちの凄惨な試合や、その後の登場人物を描いた短編が複数収録されています。
実は、これらの原作小説の他の短編の中には、漫画版『シグルイ』では直接描かれなかった藤木源之助のその後の人生、そして壮絶な最期が描かれている物語も存在します。原作小説のその後の物語によれば、御前試合を生き延びた藤木は、磯田きぬという女性と関わりを持つようになりますが、これが新たな争いへと発展し、最終的には原作の別の短編「がま剣法」の主人公である笹原修三朗という剣士と対決することになります。
この戦いは凄惨な相討ちとなり、原作小説では藤木源之助は命を落とすという結末を迎えます。さらに、藤木が心を寄せた磯田きぬも、その後の展開の中で自害するという、原作小説もまた厳しい、救いのない物語が多く収められています。
これらの原作小説に描かれた藤木のその後の人生や最期は、漫画版『シグルイ』では一切描かれておらず、漫画の最終巻で藤木の物語は完結しています。現在のところ、これらの原作のその後のエピソードを基にした『シグルイ』の続編漫画が制作されるという公式な発表もありません。
作者山口貴由先生の新作は?
劇光仮面1、2巻
めちゃくちゃ面白い
何故私は2巻までしか買ってないのか…
何故今まで読んでなかったのか… pic.twitter.com/LEzJmfd9Lv— 後藤 (@ke8_do) April 12, 2025
漫画『シグルイ』を2010年に完結させた後も、作者の山口貴由先生は精力的に漫画家としての活動を続けています。先生は『シグルイ』完結直後の2010年から2015年にかけて秋田書店『チャンピオンRED』にて、SFバイオレンス作品『エクゾスカル零』を連載しました。
続いて、同じく『チャンピオンRED』で2015年から2020年にかけて『衛府の七忍』を連載。全10巻で完結したこの作品は、徳川家康の圧政に立ち向かう異形の力を持つ怨身忍者たちの活躍を描く時代劇バイオレンスアクションで、その独特の世界観と表現で高い評価を得ました。
『このマンガがすごい!2018』オトコ編でランクインするなど注目され、この作品には『シグルイ』の登場人物を彷彿とさせる、リファインされたキャラクターが登場する場面も見られ、作品世界の繋がりを感じさせます。そして現在、山口貴由先生は小学館『ビッグコミックスペリオール』にて、『劇光仮面』を2021年から連載中です。
現代を舞台に、特撮ヒーローをテーマにした作品で、これまでの作風とは一味違いますが、その独創的な視点と表現力は健在です。高い評価を得ており、『このマンガがすごい!2023』や『マンガ大賞2023』など、複数の漫画賞でノミネート・ランクインしています。
『劇光仮面』は現在も連載が続いており、単行本は2025年4月現在、第7集まで刊行されています。また、2025年には大阪での原画展も予定されるなど、新しい代表作として注目を集めています。このように、山口貴由先生は現在も第一線で新しい物語を生み出し続けており、『シグルイ』の続編に携わる可能性は低い状況と言えます。
『シグルイ』続編の可能性に関わる背景を解説

nerdnooks・イメージ
- 原作「駿河城御前試合」とは
- 漫画のシグルイは何巻までありますか?
- アニメは何話までありますか?
- 最終回と結末の意味
- 打ち切り説の真相は?
原作「駿河城御前試合」とは
漫画『シグルイ』の物語の源流となっているのが、作家・南條範夫氏による時代小説『駿河城御前試合』です。この作品は、それぞれが独立した短編形式で描かれた、いわば短編連作集です。
物語の舞台は江戸時代初期、寛永6年(1629年)に、駿河大納言である徳川忠長の御前で行われたとされる真剣を用いた武術の試合です。小説では、この御前試合で繰り広げられたとされる約11番の真剣勝負が、それぞれの試合に関わる剣士たちに焦点を当ててオムニバス形式で描かれています。
真剣勝負ゆえに敗者は命を落とし、しばしば両者が死に至る相討ちとなるなど、武士社会の厳しさや命のやり取りを非常に生々しく、そして残酷に描いているのが特徴で、「南條範夫の残酷物」と呼ばれる作風を代表する作品の一つとされています。長らく絶版となっていましたが、山口貴由氏による漫画『シグルイ』が高い人気を得たことをきっかけに、2005年頃に復刊されました。
漫画『シグルイ』は、この原作小説の中の第一話「無明逆流れ」を元に、その世界観や登場人物を独自に深く掘り下げて描かれた作品となっています。
漫画のシグルイは何巻までありますか?
会社の本棚にシグルイが追加されてた、昼飯を食いながら読みます pic.twitter.com/MNPZrdHdqB
— サイホー (@saihoooooooo) April 11, 2025
山口貴由先生による漫画『シグルイ』は、秋田書店から刊行されており、単行本(チャンピオンREDコミックス)は全15巻で完結しています。この15巻という巻数で、『シグルイ』として描かれた藤木源之助と伊良子清玄を中心とする物語はすべて収録されています。
連載は、秋田書店の漫画雑誌『チャンピオンRED』にて、2003年から2010年まで行われ、約7年間の連載期間を経て最終回を迎え、最終巻となる第15巻が刊行されました。また、後に同じ秋田書店から文庫版も刊行されており、こちらは全7巻という構成になっています。
文庫版は単行本よりも収録話数が多い、いわゆる「厚い」本になっていますが、内容は単行本全15巻で描かれたものと同一であり、物語が増えているわけではありません。したがって、漫画『シグルイ』として読める物語の全量は、単行本であれば15巻、文庫版であれば7巻で完結しているということになります。
アニメは何話までありますか?
今こそ、アニメ「#シグルイ 2期」を制作するべき!
※完結まで全4期は必要かな? pic.twitter.com/VRrWYxwdwx
— ぶっきー@造形作家 ㊗WF2025夏 参加します (@sunagomo) November 20, 2023
漫画『シグルイ』を原作とするアニメは、全12話が制作・放送されました。このアニメは、2007年7月19日から同年10月12日にかけて、WOWOWのノンスクランブル放送枠で放送されています。アニメーション制作はマッドハウスが担当し、監督は浜崎博嗣氏が務めました。
原作漫画の凄惨な描写を可能な限り再現したため、内容は非常に刺激的で、放送時にはR-15指定相当の扱いとなりました。しかし、この全12話という話数では、原作漫画の物語すべてを描き切るまでには至りませんでした。具体的には、アニメ版で描かれたのは原作漫画の序盤から中盤にかけて、伊良子清玄が「無明逆流れ」という技を会得するあたりまでとなります。
これは原作漫画の単行本でいうと、おおよそ第7巻辺りまでの内容に相当すると言われています。そのため、アニメでは藤木源之助と伊良子清玄の宿命的な最終決戦や、その後の悲劇的な結末は描かれていません。アニメを視聴した方の中には、物語が途中で終わっているため、続きが見たい、アニメで最後まで描いてほしいという声も多くありますが、残念ながら2007年の放送終了以降、現在(2025年4月)まで続編制作に関する公式な発表は一切行われていません。
最終回と結末の意味
山口先生がインタビューで「残酷とは何か?」という問いについて「努力したり苦悩したりしながら行ってきたことを全て無駄にされること」みたいな回答をしていて、それを踏まえたシグルイ最終回のヤバさ、みたいなね。
— 猫柳墓場 (@NM_amida) January 13, 2025
漫画『シグルイ』の最終回は、物語の中心である駿河城御前試合での藤木源之助と伊良子清玄による凄絶な決闘の末が描かれます。激しい死闘の末、藤木は伊良子を両断し、勝利を収めます。しかし、この勝利は祝されるべきものではありませんでした。大納言・徳川忠長の命令により、藤木は倒した伊良子の首を刎ねるという行為を強いられます。
この、武士として主君の命令に絶対服従する「士の本分」を全うする藤木の姿を見た岩本虎眼の娘・三重は、かつて父の狂気に盲従していた門下生たち、すなわち人間性を失った「傀儡」の姿と藤木が重なって見え、深い絶望に囚われます。その結果、三重は自らの手にかけて命を絶ってしまいます。愛する三重を失った藤木は、すべてを失い、物語は幕を閉じます。
最終巻のラストシーンでは、現実ではない、藤木の心の中にだけ存在するであろう、藤木と三重が手を繋ぎながら桜道を歩く幻想的な光景が描かれます。この結末は、単なる悲惨な物語の終わりではなく、作品全体を通して描かれた武士社会の非情さや、個人の意志や感情が封建制度の中でどのように抑圧され、歪められていくのかというテーマを痛烈に示しています。
藤木が「傀儡」となることを選ばざるを得なかった悲劇、そしてその選択が招いた愛する者の喪失は、武士道というものの狂気と哀しさ、そして人間存在の孤独を深く問いかけます。最後の桜道の幻想は、藤木が現実には決して得られなかった平穏な幸福への憧憬と、すべてを失った後の彼に残された空虚さ、そして決して癒えない絶望の深さを象徴しています。救いのない、重い結末ですが、それ故に読者に強い衝撃と深い余韻を残し、作品の芸術性を高めていると言えるでしょう。
打ち切り説の真相は?
シグルイ読み終わっておもろかったけどそこはかとなく打ち切り感があるんだが…
— jyra (@kininarudareka) April 23, 2024
漫画『シグルイ』に対して、一部で「打ち切りで終わってしまったのではないか?」という噂や憶測が流れることがあります。この打ち切り説が生まれた主な理由は、原作となった南條範夫氏の小説『駿河城御前試合』が11番勝負から成る短編集であるのに対し、漫画版『シグルイ』は原作の第一話である「無明逆流れ」の物語のみを大幅に膨らませて描き、そこで完結している点にあります。
連載開始当初、読者の中には『駿河城御前試合』に収められた全ての試合が漫画化されることを期待していた方もいたため、第一試合のみで終わったことをもって、本来の構想が変更された、あるいは途中で打ち切られたのではないか、と考えたようです。しかし、作品の内容や完結の仕方を見るに、『シグルイ』は編集部からの圧力などで無理矢理終了させられた、いわゆる「打ち切り」であった可能性は低いと考えられています。
漫画『シグルイ』は、藤木源之助と伊良子清玄という二人の中心人物の因縁と対決、そして彼らを取り巻く人々のドラマを軸に物語を構築しており、その二人の物語は最終巻でしっかりと決着が描かれ、作品として破綻なく完結しています。第一話「無明逆流れ」という核となるエピソードを深く掘り下げることで、全15巻というボリュームでありながら、一つのテーマを描き切った作品と言えます。
また、作者の山口貴由先生は、『シグルイ』に限らず、ご自身の作品を物語の区切りが良いところで完結させる傾向が見られます。これらの状況証拠から判断すると、『シグルイ』は原作の全てを追うのではなく、第一話に焦点を絞り、その物語を極限まで描くという、作者の意図した形での完結であったと解釈するのが自然であり、打ち切りではなかったと考えられるのが真相に近いでしょう。
総括:シグルイの続編はある?原作のその後や打ち切り説を網羅解説
この記事をまとめると、
- シグルイの漫画・アニメに公式な続編はない
- 漫画版は2010年に全15巻で完結した
- 漫画は原作小説の第一話「無明逆流れ」を基にした
- 漫画の物語は藤木と伊良子の決着をもって完結している
- 漫画の結末は悲劇的だが一つの区切りである
- アニメ版は2007年に全12話で放送された
- アニメは原作漫画の途中までしか描いていない
- アニメの続編は現在まで発表されていない
- 原作小説「駿河城御前試合」が漫画の元である
- 原作小説には漫画で描かれなかったその後の物語がある
- 原作では藤木源之助の最期も描かれている
- 原作のその後の物語は漫画版で描かれていない
- 作者の山口貴由は現在も他の漫画を連載中である
- 作者が新作を手がけており続編の可能性は低い
- 漫画版は打ち切りではなく作者の意図通り完結したと考えられる
- 山口貴由の新作にはシグルイ関連キャラのリファイン登場がある