スチームデックでモンハンワイルズは遊べるのか?完全検証ガイド

スチームデックでモンハンワイルズは遊べるのか?完全検証ガイド

モンスターハンターシリーズ最新作「モンハンワイルズ」をスチームデックで遊べるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。携帯型ゲーミングPCであるスチームデックは多くのPCゲームを外出先でも楽しめる便利なデバイスですが、高負荷ゲームとの相性はどうでしょうか。

本記事では、スチームデックでモンハンワイルズを実際に動作させた検証結果と、プレイする際の最適な設定方法を詳しく解説します。GPUやメモリなどスペック比較から、アップスケーリング設定の注意点、グラフィック最適化の方法、さらにはクラッシュを防ぐ対策まで、スチームデックでモンハンワイルズを少しでも快適に遊ぶための情報を網羅しています。

スペック的に厳しい部分もありますが、工夫次第では携帯でのハンティングも不可能ではありません。さらにリモートプレイなどの代替手段についても紹介していますので、最後までご覧ください。

  • スチームデックのスペックがモンハンワイルズの要求条件と比較してどの程度足りないか

  • アップスケーリング設定をオフにするなど、画面表示の問題を解決するための具体的な設定方法

  • グラフィック設定を最低にするなど、クラッシュを防ぎながら少しでも快適に遊ぶためのテクニック

  • リモートプレイなど、スチームデック単体での実行以外の代替プレイ方法

目次

スチームデックでモンハンワイルズは動作するのか検証

  • モンハンワイルズの必要スペック
  • Steam Deckのスペックと比較
  • ベータテストでの動作検証結果
  • 画面表示の問題と対処法

モンハンワイルズの必要スペック

モンスターハンターワイルズは2025年2月28日に発売された人気ハンティングアクションゲームで、高いグラフィック性能や広大なフィールドでの狩猟体験が特徴です。このゲームをPCでプレイするには、一定以上のスペックが必要となります。

公式が発表している必要スペックは、大きく分けて「最低環境」と「推奨環境」の2種類があります。まず最低環境として必要なスペックは以下の通りです:

  • OS: Windows 10 / Windows 11 (64bit)
  • CPU: Intel Core i5-10400 / Core i3-12100 / AMD Ryzen 5 3600
  • GPU: NVIDIA GeForce GTX 1660 (VRAM 6GB) / AMD Radeon RX 5500 XT (VRAM 8GB)
  • メモリ: 16GB RAM
  • ストレージ: 75GB (SSD必須)

この最低環境では、グラフィック設定「最低」で1080p解像度(アップスケール使用、ネイティブ解像度720p)、30fpsでのゲームプレイが可能とされています。DirectStorage対応も必要となります。

一方、より快適にプレイするための推奨環境は以下の通りです:

  • OS: Windows 10 / Windows 11 (64bit)
  • CPU: Intel Core i5-11600K / Core i5-12400 / AMD Ryzen 5 3600X / AMD Ryzen 5 5500
  • GPU: NVIDIA GeForce RTX 2070 Super (VRAM 8GB) / RTX 4060 (VRAM 8GB) / AMD Radeon RX 6700XT (VRAM 12GB)
  • メモリ: 16GB RAM
  • ストレージ: 75GB (SSD必須)

推奨環境では、グラフィック設定「中」で1080p解像度、60fps(フレーム生成使用)でのゲームプレイが可能とされています。グラフィック設定を「高」や「ウルトラ」にすると、より高性能なPCが必要になります。

モンスターハンターワイルズはメモリを多く使用するゲームで、ユーザー報告によるとゲーム単体で多くのメモリを消費します。公式の推奨は16GBですが、ゲームの体験を快適にするためには32GB以上のメモリ容量があると安心でしょう。また、ゲームの読み込み速度向上のためにSSDの使用が必須となっており、HDDでのプレイはサポートされていません。

高いグラフィック性能と広大なオープンフィールドを特徴とするモンスターハンターワイルズでは、特にGPU(グラフィックカード)の性能が重要です。推奨されるGPUには2019年から2023年にかけて発売されたモデルが含まれており、特にRTX 4060のような比較的新しいGPUであれば快適なプレイが期待できます。

Steam Deckのスペックと比較

Steam Deckのスペックと比較

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Steam Deckは、Valve社が開発した携帯型ゲーミングPCです。モンスターハンターワイルズを遊ぶにあたって、Steam Deckのスペックがこのゲームの要求スペックを満たしているのか検証してみましょう。

Steam Deckの主要スペックは以下の通りです:

  • CPU: AMD Zen 2 4コア/8スレッド (2.4-3.5GHz)
  • GPU: AMD RDNA 2 (8CU、最大1.6GHz)
  • RAM: 16GB LPDDR5(ユニファイドメモリ)
  • ストレージ: モデルにより64GB eMMC、256GB NVMe SSD、512GB NVMe SSD

CPUに関しては、Steam DeckのAMD Zen 2ベースのCPUは、性能面では最低要件のRyzen 5 3600と比較すると若干劣ります。Zen 2アーキテクチャ自体は同じですが、モバイル向けに設計された低消費電力版であるため、デスクトップ版の性能には届かない部分があります。

GPUに関しては、Steam DeckのGPUは最低要件のGTX 1660やRX 5500 XTと比較しても明らかに性能が下回ります。RDNA 2アーキテクチャは効率的ですが、CU数(コンピュートユニット数)が少なく、モンスターハンターワイルズのような高負荷ゲームでは十分な性能を発揮できない可能性が高いです。

メモリについては、Steam Deckは16GBのLPDDR5メモリを搭載しており、公式の最低・推奨要件は満たしています。ただし、このメモリはCPUとGPUで共有するユニファイドメモリであるため、VRAMとして使用される分を考慮すると、実際に使えるメモリ容量はさらに少なくなります。

ストレージについては、256GBや512GBモデルであれば、ゲームのインストールには十分な容量があります。ただし、64GBモデルでは75GBのゲームはインストールすら困難です。またSSD要件についても、256GB/512GBモデルは満たしていますが、64GBモデルのeMMCはSSDより低速なため注意が必要です。

これらを総合的に判断すると、Steam Deckでモンスターハンターワイルズを遊ぶのは非常に厳しいと言わざるを得ません。特にGPU性能が要求スペックを大きく下回っており、実際の検証結果からもその懸念が裏付けられています。

実際に発売後の報告では、Steam Deckでのプレイ時にフレームレートが20fps以下に低下するとの報告が多数あり、快適なプレイが難しい状況が指摘されています。カプコンはオープンベータテストの段階からパフォーマンスの改善を約束していましたが、製品版でも完全な解決には至っていません。

なお、Steam DeckにはLCDモデルとOLEDモデルの2種類がありますが、両モデル間でCPUやGPUといった基本的な処理性能に違いはありません。OLEDモデルではディスプレイ品質(有機ELパネル採用、最大90Hzリフレッシュレート対応)、バッテリー持続時間、Wi-Fi性能(Wi-Fi 6E対応)などが向上していますが、ゲームの処理性能自体は変わらないため、モンスターハンターワイルズの動作に関しては大きな差は期待できません。

結論として、Steam Deckでモンスターハンターワイルズをプレイすることは技術的には可能ですが、グラフィック設定を最低に設定しても安定したフレームレートは期待できず、ストレスのないプレイ体験は難しいでしょう。最高の環境でプレイしたい場合は、ハイスペックなゲーミングPCやPS5などの据え置き機の方が圧倒的に適しています。

ベータテストでの動作検証結果

モンスターハンターワイルズのベータテストでは、多くのプレイヤーがSteam Deckでの動作検証を行いました。結果的には、様々な問題が報告されており、満足のいくプレイ体験を得るには多くの調整が必要だということが明らかになっています。

ベータテスト第2弾では、Steam Deck所有者がゲームの動作確認に挑戦しました。まず初期段階でつまずいたのが、ゲームファイルの最適化(シェーダーのコンパイル)でした。この処理にはなんと30分程度の待ち時間が発生し、ゲーム本体を起動する前から負荷の高さを感じさせる結果となりました。

タイトル画面までは無事に到達できたプレイヤーも、キャラクターメイキングを始めると画面に作成中のキャラクターが表示されないという深刻な不具合に直面しました。この問題を乗り越えてプリセットのままゲームを進めると、さらにオープニングシーンでは字幕以外が真っ暗になるという状態に陥りました。これらの問題は主にグラフィック設定、特にアップスケーリング機能との互換性に起因することが後に判明しています。

実際のゲームプレイでは、チュートリアルから始まる「チャタカブラ」との戦闘については何とか動作しましたが、フレームレートは非常に不安定でした。30fpsを目標としても、実際には多くの場面で20fps以下に落ち込むケースが報告されています。Reddit上での議論でも「フレームレートが20fps以下しか出ず、実用的なプレイは難しい」という声が多数上がりました。

特に注目すべきは、ゲームの進行に伴い状況が悪化したという点です。初期のチュートリアルはある程度動作しても、拠点に到達してオフラインからオンラインへの切り替わりが発生すると、多くのプレイヤーがクラッシュを体験しました。これはSteam DeckのGPUとメモリの限界が原因と推測されています。

グラフィック設定を徹底的に下げても、ベータテスト環境ではFPSが15-20程度という非常に低い値に留まるケースが多く、アクションゲームとして快適とは言い難い状況でした。また「フレーム生成」機能をオンにしていると特に問題が発生しやすいことも判明し、この機能をオフにすることで若干の安定性向上が見られたケースもありました。

製品版では一部の問題は修正され、基本的な動作やチュートリアル部分はプレイできるようになりましたが、根本的な性能不足の問題は解決していません。発売後も定期的なアップデートが行われており、徐々に最適化は進んでいますが、Steam Deckのハードウェア性能の制約を考えると、劇的な改善は期待しにくい状況です。

ベータテストを含む一連の検証から導き出されたのは、「Steam Deckでモンスターハンターワイルズをプレイすることは技術的には可能だが、快適なプレイ体験は期待できない」という結論です。装備変更やオンライン・オフライン切り替えなどの処理負荷が高まる場面では特にパフォーマンスが低下し、クラッシュのリスクも高まります。現時点では、Steam Deckでの日常的なプレイは推奨できず、カプコン側のさらなる最適化改善を待つことになります。

画面表示の問題と対処法

Steam Deckでモンスターハンターワイルズをプレイするときに最も頻繁に直面するのが画面表示の問題です。特に注目すべきは「真っ暗画面」や「表示されないキャラクター」といった深刻な不具合ですが、幸いにもこれらのほとんどは適切な設定変更で解決できます。

まず最大の問題は、グラフィックス設定の「アップスケーリング(超解像技術)」オプションにあります。このオプションが「使用しない」以外の設定になっていると、Steam Deckではゲーム画面が正しく表示されないという致命的な不具合が発生します。ゲーム起動時に「フレーム生成を使用するか?」と聞かれた場合は、「いいえ」を選択するのが賢明です。既にゲームが真っ暗になってしまった場合は、オプション画面からこの設定を「使用しない」に変更することで解決できます。

もう一つの重要な設定は「レンダリングスケール」です。アップスケーリングをオフにすると、このオプションが調整可能になりますが、注意点があります。レンダリングスケールを99以下に設定すると、再び画面が真っ暗になる可能性があります。このため、100に固定しておくのが安全です。初期のベータテストでは99以下にすると必ず問題が発生していましたが、製品版では改善されたという報告もあります。ただし、クラッシュのリスクは依然として存在するため、安全側に倒しておくのが無難でしょう。

そして全体的なグラフィック設定についても、最低限に抑える必要があります。テクスチャ品質、影の品質、環境オブジェクト、水面表現など、あらゆる設定を「低」または「最低」に設定することで負荷を軽減できます。特に「影の品質」と「環境オブジェクト」は負荷が高いため、これらを下げることでフレームレートの安定が期待できます。

これらの設定変更を行っても問題が解決しない場合は、Steam OS側の設定も調整する価値があります。TDP(消費電力)制限を変更することで、パフォーマンスとバッテリー持続時間のバランスを取ることができます。9W~12Wに設定すればバッテリー持ちを改善でき、15W以上に設定すればフルパワーで動作させることが可能です(ただしバッテリー消費は激しくなります)。

また、「パフォーマンスオーバーレイ」機能を活用してフレームレートをモニタリングし、30fpsに固定することも効果的です。一部のユーザーからは、40fps制限を設定することで視覚的な滑らかさと安定性のバランスが取れるという報告もあります。

残念ながら、すべての対処法を適用しても完璧な動作は期待できません。Steam Deckのハードウェア性能には限界があり、モンハンワイルズの要求スペックは非常に高いからです。最低設定でも、一部エリアやモンスターが多く出現する場面ではフレーム落ちやカクつきが発生する可能性があります。

もし携帯性とモンハンワイルズのプレイを両立させたい場合、代替手段として他の携帯型ゲーミングPC(ROG Ally XやLegion Goなど)の検討や、PS5+PlayStation Portalの組み合わせによるリモートプレイという選択肢もあります。ただしこれらはSteam Deckと比較すると高価になる点に注意が必要です。

最終的には、各自のプレイスタイルや許容できる画質・性能の妥協点を見つけることが重要です。「少しでもカクついたら耐えられない」というプレイヤーにはSteam Deckでの本作プレイはお勧めできませんが、「グラフィックが荒くても携帯でプレイしたい」というニーズがあれば、上記の対処法を試してみる価値はあるでしょう。

スチームデックとモンハンワイルズの快適プレイ設定

スチームデックとモンハンワイルズの快適プレイ設定

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  • アップスケーリング設定の注意点
  • グラフィック設定の最適化方法
  • クラッシュを防ぐ重要な設定
  • 他の選択肢:リモートプレイの活用

アップスケーリング設定の注意点

モンスターハンターワイルズをSteam Deckでプレイする際、最も重要かつ厄介な設定が「アップスケーリング」です。この設定は本来、低い解像度で描画した画像を高解像度に引き上げることで、見た目の品質を保ちながらパフォーマンスを向上させる優れた機能です。しかし皮肉なことに、Steam Deckではこの機能が深刻な問題を引き起こします。

最も注意すべき点は、アップスケーリング機能を「使用しない」以外に設定すると、Steam Deck上ではゲーム画面が真っ暗になってしまうという致命的な問題です。ゲーム起動時に「フレーム生成を使用するか?」というダイアログが表示された場合は、必ず「いいえ」を選択しましょう。既にゲームを起動して真っ暗画面に悩まされている場合は、オプション画面から「GRAPHICS」を選び、「アップスケーリング(超解像技術)」を「使用しない」に変更することで問題が解決できます。

モンスターハンターワイルズでは「NVIDIA DLSS」「AMD FSR」「インテルXeSS」という3種類のアップスケーリング技術が用意されています。通常のゲーミングPCであれば、搭載しているGPUに応じたアップスケーリング技術を選択することでパフォーマンスの向上が期待できます。しかし、Steam DeckではAMD GPUを採用しているにもかかわらず、「AMD FSR」を含むすべてのアップスケーリング技術で画面表示の問題が発生します。

よく混同されがちなのが「アップスケーリング」と「フレーム生成」の違いです。アップスケーリングは低解像度画像を高解像度に引き上げる技術であるのに対し、フレーム生成はAIを使って既存フレームの間に新しいフレームを生成することで、実際のフレームレート以上に滑らかに見せる技術です。両者は別の機能ですが、どちらもSteam Deckでは問題を引き起こす可能性が高いため、基本的にはどちらもオフにするのが無難です。

注意すべきことの一つに、一度設定を変更しても、ゲーム内の設定リセットやゲームのアップデート後に再び問題の設定に戻ってしまう可能性があります。ゲームが突然起動しなくなった場合やクラッシュが増えた場合は、まずアップスケーリング設定を確認することをお勧めします。

より技術的な対策として、Steam Deckのデスクトップモードからゲームの設定ファイルを直接編集する方法もありますが、これは上級者向けの手法です。誤った編集を行うとゲームが完全に起動しなくなる可能性もあるため、通常はゲーム内設定での変更にとどめておくのが安全です。

製品版ではベータ版に比べて若干の改善が見られますが、アップスケーリング関連の問題は依然として完全には解決していません。カプコンが今後のアップデートでSteam Deck向けの最適化を進める可能性はありますが、現時点では公式な対応方針は発表されていません。

アップスケーリング技術は本来、Steam Deckのような低スペックデバイスの救世主になるはずの技術です。しかし皮肉なことに、モンスターハンターワイルズとSteam Deckの組み合わせでは、この機能を完全に無効化することでようやくゲームが起動するという逆説的な状況となっています。この制限を受け入れると、グラフィック品質の大幅な低下は避けられません。

他の携帯型ゲーミングPC(ROG AllyやLegion Goなど)では、より高いハードウェア性能のおかげでアップスケーリングやフレーム生成機能が問題なく動作するケースもあります。しかしSteam Deckに関しては、残念ながら「アップスケーリング:使用しない」が唯一の選択肢となります。携帯でモンスターハンターを楽しみたいプレイヤーは、この制約と引き換えに低画質・低フレームレートでのプレイを受け入れるか、別の選択肢を検討する必要があるでしょう。

グラフィック設定の最適化方法

Steam Deckでモンスターハンターワイルズをできるだけ快適にプレイするには、グラフィック設定の最適化が不可欠です。前述のアップスケーリング設定をオフにした上で、さらに各種設定を細かく調整していきましょう。

まず基本的な方針として、グラフィックス設定のプリセットは「最低」を選択します。これだけでも大きな違いが生まれますが、さらに細かいチューニングが必要です。特に注目すべきは以下の項目です:

  1. テクスチャ品質: 「低」に設定します。これによりメモリ使用量が削減されますが、モンスターや装備の質感は粗くなります。
  2. 影の品質: 「最低」に設定しましょう。影はGPUに大きな負荷をかけるため、これを下げることで大幅なパフォーマンス向上が期待できます。
  3. 環境オブジェクト: こちらも「低」に設定します。フィールド上の草木や小物の表示密度が下がりますが、フレームレートの安定性が向上します。
  4. レンダリングスケール: 100に設定します。99以下にするとベータテスト時にはグラフィックの問題が発生していました。製品版では改善されたという報告もありますが、安全を期すなら100を維持しましょう。
  5. 解像度: Steam Deckのネイティブ解像度である1280×800を使用します。

このような設定を行っても、残念ながら一部のエリアやモンスターとの戦闘では安定したフレームレートを維持するのは難しいでしょう。特に大型モンスターとの戦闘ではカクつきが発生する可能性が高いです。

さらに映像効果として「ブルーム」「被写界深度」「モーションブラー」などもすべてオフにすることをお勧めします。これらの視覚効果は雰囲気を高めますが、パフォーマンスへの影響を考えると無効化する価値があります。

Steam Deck側の設定も重要です。電力設定で消費電力(TDP)を調整できます。バッテリー持続時間より性能を優先するなら、TDPを12W~15Wに設定することで最大限のパフォーマンスを引き出せます。ただし、この設定ではバッテリーの持続時間が短くなるため、長時間のプレイには向いていません。

また、フレームレートを固定することも効果的です。Steam Deckの「Quick Access」メニューから「Performance」を開き、フレームレートリミッターを30fpsに設定しましょう。変動するフレームレートよりも、安定した30fpsの方が体感的に滑らかなプレイ体験を得られます。40fpsに設定する方法もありますが、モンスターハンターワイルズのような高負荷ゲームでは現実的な選択肢とは言えません。

温度管理も重要な要素です。Steam Deckは長時間の高負荷状態で熱を持ちやすく、過熱によるパフォーマンス低下が発生することがあります。排気口を塞がないように注意し、涼しい環境でプレイすることをお勧めします。また、定期的に休憩を取ることでデバイスを冷却する時間を確保しましょう。

これらの設定を適用しても、PC版モンスターハンターワイルズの美麗なグラフィックとは程遠い見た目になります。フィールドの草木は疎らになり、遠景はぼやけ、テクスチャも粗くなります。しかし、これらの妥協点を受け入れれば、携帯でモンスターハンターシリーズ最新作を楽しめるというメリットがあります。

カプコンは今後のアップデートでパフォーマンス改善を行う可能性もあります。過去のシリーズでも発売後に最適化が進められた実績がありますので、将来的には少しでも快適なプレイ環境が実現するかもしれません。

クラッシュを防ぐ重要な設定

クラッシュを防ぐ重要な設定

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モンスターハンターワイルズをSteam Deckでプレイする際、最も厄介な問題の一つがクラッシュです。せっかくの狩猟体験が台無しにならないよう、クラッシュを防ぐための重要な設定と対策について解説します。

まず第一に、ストレージ関連の設定を見直しましょう。Steam Deckの64GBモデルではゲームのサイズ(75GB)を考えるとほぼインストールすらできません。256GBか512GBモデルの使用を強くお勧めします。ゲームのインストール先は内蔵SSDを選択してください。microSDカードにインストールも技術的には可能ですが、読み込み速度の差からクラッシュリスクが高まります。また、十分な空き容量を確保しておくことも重要です。

次に重要なのがメモリ関連の設定です。モンスターハンターワイルズは公式推奨メモリが16GBで、Steam Deckもちょうど16GBのメモリを搭載していますが、ゲームとOSで共有するためギリギリの状態です。バックグラウンドアプリは完全に終了させ、Steam Deckのゲームモードで起動することをお勧めします。また、長時間プレイ時は定期的にゲームを再起動することで、メモリリークによるクラッシュを防止できます。

グラフィック設定も大きな影響を与えます。前述のアップスケーリングをオフにし、グラフィック設定プリセットを「最低」に設定することが基本です。グラフィック設定がクラッシュに直結することは多くのユーザーが報告しており、見た目を犠牲にしてでも安定性を優先すべきです。

温度管理もクラッシュ防止に関わります。Steam Deckは長時間の高負荷で熱を持ちやすく、過熱によるクラッシュが発生することがあります。プレイ環境は涼しい場所を選び、排気口を塞がないよう注意しましょう。一時的に休憩を取り、本体を冷ます時間を設けることも有効です。

SteamOSのアップデートも忘れずに行いましょう。Valveは定期的にSteamOSをアップデートしており、互換性や安定性の向上が図られています。特にProtonレイヤー(Windows用ゲームをLinux上で動かすための技術)のアップデートはゲームの安定性に直結するため重要です。

オンラインプレイ時は特に注意が必要です。ベータテストではオフラインからオンラインへの自動切り替え時にクラッシュが多発しました。安定してプレイするには、ゲーム起動前にWi-Fi接続を確立しておき、プレイ中の接続状態変化を避けることが重要です。接続が不安定な環境では、オフラインモードでプレイすることも検討しましょう。

ゲーム内コンテンツでは、特定のモンスターや多数のエンティティが表示されるエリアでクラッシュが発生しやすい傾向があります。こういった場所では特に控えめなグラフィック設定を心がけましょう。

セーブデータの保護も重要です。クラッシュが発生した場合、セーブデータが破損するリスクがあります。頻繁に手動セーブを行うことで、万が一の際の被害を最小限に抑えられます。特に長時間のプレイセッション中や、重要なクエスト達成後には必ずセーブしましょう。

最新の検証情報を確認することも大切です。SteamのコミュニティフォーラムやRedditでは、ユーザー間で最新の情報や対処法が共有されています。定期的にチェックして最新の安定化手法を取り入れることをお勧めします。

これらの対策を講じてもなお、クラッシュが完全になくなるわけではありません。現状のSteam Deckの性能ではモンスターハンターワイルズを完全に安定して動かすのは難しい側面があります。しかし、上記の設定や対策を組み合わせることで、クラッシュのリスクを軽減できるでしょう。

他の選択肢:リモートプレイの活用

Steam Deckでモンスターハンターワイルズを直接プレイすることの難しさを考えると、代替手段としてリモートプレイの活用も検討する価値があります。リモートプレイは高性能PCやゲーム機でゲームを実行し、その映像と操作をSteam Deckにストリーミングする技術です。これにより、Steam Deck単体では処理しきれない高負荷ゲームでも、美しいグラフィックで楽しむことが可能になります。

Steamの公式リモートプレイ機能は導入が簡単な選択肢です。自宅の高性能PCでモンスターハンターワイルズを起動し、Steam Deckからそれにアクセスする仕組みです。設定方法は比較的シンプルで、ホストPCのSteamクライアントで「リモートプレイを有効にする」オプションをオンにし、Steam Deck側でSteamを起動してライブラリからゲームを選択すると「ストリーミング」オプションが表示されます。

Steamのリモートプレイは特別なソフトウェアを追加でインストールする必要がなく、同じSteamアカウントでログインするだけで利用できるという大きな利点があります。ただし、接続が不安定になったり、入力遅延が生じたりすることがあり、アクションゲームでは致命的になりうるという欠点もあります。

より安定したリモートプレイ体験を求めるなら、「Moonlight」というオープンソースソフトウェアが優れた選択肢となります。MoonlightはNVIDIAのGameStream技術をベースにしたストリーミングクライアントで、Steam Deckにもインストール可能です。セットアップはやや複雑ですが、一度設定すれば非常に安定した低遅延のストリーミング体験を得られます。

Moonlightを使用するには、ホストPCに「Sunshine」というサーバーソフトウェアをインストールし、Steam Deck側にMoonlightクライアントをインストールする必要があります。Sunshineは公式サイトから、MoonlightはSteam Deckのデスクトップモードでディスカバリー(アプリストア)からインストール可能です。セットアップ後は、ローカルネットワーク内でホストPCを検出し、接続するだけでゲームをストリーミングできます。

リモートプレイを活用する際の最大の制約は、安定した高速なネットワーク環境が必須であることです。有線LANが最も安定しますが、Steam Deckでは5GHz帯のWi-Fi接続が現実的な選択肢となります。公共のWi-Fiや不安定なモバイル回線では満足な体験が得られないでしょう。

もう一つの制約は、リモートプレイが基本的にホストPCの近く(同一ネットワーク内)での利用を前提としていることです。家庭内の別の部屋でプレイするには適していますが、外出先での利用は現実的ではありません。また、当然ながら高性能PCを別途所有している必要があります。

バッテリー消費の面では、リモートプレイはSteam Deck単体でプレイするよりも省電力になることが多く、3〜4時間程度の連続プレイが可能です。グラフィック処理をホストPC側で行うため、Steam Deckはビデオストリーミングと入力処理だけを担当するからです。

PlayStation 5ユーザーにとっては、PS5版モンスターハンターワイルズとPlayStation Portalを組み合わせる方法も検討できます。PlayStation Portalは公式のリモートプレイデバイスで、PS5で起動したゲームを高品質でストリーミングできます。PS5コントローラーと同じ操作性を持ち、快適なプレイ体験が期待できます。ただし、PS5とPortal両方を購入する必要があるため、初期投資はやや高額です。

これらのリモートプレイ選択肢はいずれも、Steam Deck単体でプレイする場合のグラフィックやパフォーマンスの妥協を避けつつ、ある程度の携帯性を維持するための代替手段となります。自宅内での移動自由度が高く、好きな場所でくつろぎながら高画質なモンスターハンターワイルズを楽しめるというメリットがあります。

最終的には、環境や予算、プレイスタイルに合わせて最適な選択をすることが重要です。直接プレイとリモートプレイには一長一短があり、どちらが優れているとは一概に言えません。自分のプレイ環境と優先事項に合わせて判断しましょう。

総括:スチームデックでモンハンワイルズは遊べるのか?完全検証ガイド

この記事をまとめると、

  • モンハンワイルズはSteam Deckの性能では快適プレイが困難
  • Steam DeckのGPUはゲームの最低要件を下回る
  • 実測では多くの場面で20fps以下の低フレームレート
  • アップスケーリング機能はオフにする必要がある
  • グラフィック設定は「最低」プリセットが基本
  • レンダリングスケールは100に固定すべき
  • 影の品質や環境オブジェクト設定は特に負荷が高い
  • フレームレートを30fpsに固定すると安定性が向上する
  • オンライン切り替え時にクラッシュが発生しやすい
  • 64GBモデルではインストールすら困難
  • 256GB/512GBモデルが推奨されるが性能面では変わらない
  • SteamOSの定期的なアップデートが安定性向上に重要
  • 他の携帯型ゲーミングPC(ROG Allyなど)ではより安定動作
  • リモートプレイを活用すると高画質で楽しめる
  • カプコンの今後のアップデートで最適化に期待
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