ワンパンマン3期がひどいと言われる理由を徹底解説

2025年10月から放送が始まった『ワンパンマン』第3期について、ネット上では評判が二分しています。10月5日深夜には第3期放送開始記念特番として第2期の振り返りが放送され、翌週から本編がスタートしました。特に作画崩壊や改悪といった言葉が飛び交い、一部では炎上とも呼べる状況が生まれています。海外掲示板やSNSでも厳しい意見が寄せられ、第1期の神作画を知る視聴者ほど失望の声を上げているようです。

ただし、擁護する意見も少なくありません。第1期が伝説的すぎたことや、制作現場の厳しい事情を考慮すれば、第3期のクオリティも決して悪くはないという声もあります。

この記事では、なぜ『ワンパンマン』第3期がひどいと言われているのか、その理由を多角的に検証していきます。

ワンパンマン3期がひどいと言われる理由

作画崩壊と言われる具体的なシーン

第3期で批判を集めた要素の一つが、戦闘シーンにおける作画の問題です。視聴者からは「紙芝居のようだ」「静止画が多すぎる」といった指摘が相次ぎました。

SNS上では、アクションシーンで動きが少なく、キャラクターが止まったまま背景だけが動くような演出が目立つという声が広がっています。閃光のフラッシュの戦闘シーンでは、同じような背景の演出が繰り返されるという指摘もあり、違和感を覚えている視聴者もいるようです。

また、一部のシーンでは細部の仕上がりに粗が見られるという意見もあります。漫画のコマをそのまま色付けしたような構図が多用されているという指摘もあり、「これならアニメ化する意味がないのでは」という声も出ています。

評判が悪化した炎上の経緯

ワンパンマン、3期こんな作画グロいことになってたん？
3期まだ見れてなかったけどこれは……

2期以降制作会社も変わってるし、作監が悪いのか？それともこれで通した監督が悪いんか？原作ものはもっと大事に作ってくれよ https://t.co/HlJYql8c5r

— 赤城❄(野球好き) (@akaginorikmiin1) December 16, 2025

第3期の評判悪化は、放送前から始まっていました。2024年3月に公開された特報映像に対して、SNS上では「動きが少ない」「演出が淡白すぎる」といった批判が一部で広がったのです。

XやYouTubeでは、特報映像を分析する動画が次々と投稿され、「J.C.STAFFでは第1期のクオリティは無理」という懸念が拡散されました。こうした否定的な先入観が、本放送開始前から一部視聴者の期待を下げる結果となっています。

さらに、本編初回の前週に第2期の振り返り特番が放送されたことも、一部のファンの不満を生みました。約6年ぶりの続編を待ち望んでいたファンにとって、新作が始まるまでに時間がかかったことへの焦りがあったようです。

制作決定の発表から実際の放送まで時間がかかったことも、ファンの焦りと不安を募らせる要因になりました。長期間待たされたことへの期待の裏返しとして、批判的な声が目立ちやすくなっている面もあります。

海外の反応とファンの失望

海外のアニメファンからも、第3期には厳しい評価が寄せられています。英語圏の掲示板Redditでは、「One Punch Man season 3 is so bad, I lost my appetite to anime」といった趣旨のスレッドが立ち、大きな反響を呼びました。

一部の海外ファンにとって、『ワンパンマン』第1期はアニメの入り口となった作品でした。圧倒的なアクションと演出に感動し、そこから他のアニメも視聴するようになったという声があります。それだけに、第3期のクオリティに対する期待も高く、現実とのギャップに失望を感じる人もいるようです。

YouTubeでは、ファンメイドのアニメーション動画と公式の第3期を比較する動画も投稿されています。一部では「ファンメイドの方がクオリティが高い」という評価も見られ、公式アニメへの期待との差が議論を呼んでいます。

また、ガロウの動きに関するシーンについても、海外のファンから様々な意見が出ているようです。アニメーションの質に対する評価は、国内外を問わず話題になっています。

改悪されたと指摘される演出面

日本のアニメは世界に影響を与えてる中で、こんなソシャゲのムービーよりクオリティが低い素人アニメがあるのか…

ワンパンマンは、色々と改善されるし、アニメも3期でストーリーの見所なのに残念…

低クオリティで話題性を生み出してるのかな？

タツマキのシーンだけは、気合い入れて欲しい！ https://t.co/uZMgQs5OP4

— みっくん (@Mikkun_Tk23) December 16, 2025

作画だけでなく、演出面でも変更があったと感じる視聴者がいます。特に目立つのが、セリフの早さとテンポに関する意見です。

漫画のコマを忠実に再現しようとする姿勢が見られる一方で、キャラクター同士の会話が速く感じられ、状況が伝わりにくいという声があります。アニメとしての「間」や「溜め」が不足しているという指摘です。

さらに、特報映像と本編で色調が異なると感じる視聴者もいます。明るく鮮やかだった映像が、本編では全体的に暗く調整されているように見える場面があるという意見があり、「特報映像のままで良かったのに」という声も聞かれました。

演出の単調さを指摘する意見もあります。戦闘シーンで同じパターンの演出が繰り返されているように感じられ、変化に乏しいという声です。背景の動きも単純に見えるという意見があり、視覚的な刺激が少ないと感じる視聴者もいるようです。

1期・2期との制作体制の違い

第3期への批判を理解するには、制作体制の変遷を知る必要があります。第1期と第2期・第3期では、根本的に制作会社が異なるからです。

第1期はマッドハウスが制作し、実力派スタッフの参加が話題となり「神作画」として評価されました。一方、第2期からはJ.C.STAFFに制作会社が変更され、第3期も同じくJ.C.STAFFが担当しています。

制作会社の変更に加えて、スタッフの再編も行われました。第3期では監督が永居慎平氏に交代し、キャラクターデザインも久保田誓氏に加えて黒田新次郎氏と白川亮介氏が参加する3人体制になりました。

項目	第1期	第2期	第3期
制作会社	マッドハウス	J.C.STAFF	J.C.STAFF
放送時期	2015年10月〜12月	2019年4月〜7月	2025年10月〜
監督	夏目真悟	櫻井親良	永居慎平

スタッフの変更により、キャラクターの線の描き方や表情のトーンが微妙に変化し、「別人のように見える」という感想も出ています。こうした制作体制の違いが、視聴者の違和感を生む要因の一つとなっているわけです。

第1期のスタッフとは作風が異なるため、ファンの期待とのズレが生じやすい状況があります。それぞれの制作陣が持つ表現スタイルの違いが、作品の印象に影響を与えているのです。

ワンパンマン3期のひどい評価は妥当か

擁護派の意見と楽しめる要素

批判が目立つ第3期ですが、擁護する声も少なくありません。冷静に作品を評価するファンからは、「そこまでひどくはない」という意見が見られます。

まず指摘されるのが、第1期のハードルが高すぎるという点です。第1期は伝説的なクオリティであり、あれと同じレベルを求めること自体が現実的ではないという意見があります。「第1期が凄すぎただけ」という声は、一定数の視聴者から聞かれます。

第2期と比較して改善された点も見逃せません。第2期で不評だった「テカテカした質感」がなくなり、村田版の漫画により近いデザインになったことを評価する声があります。SEも安っぽくなくなり、音響面では進歩が見られるという指摘です。

また、物語自体は面白いという意見も根強くあります。フラッシュと童帝、フェニックス男との戦いは評価が高く、ストーリー展開を楽しみにしているファンは少なくありません。作画だけが全てではないという考え方です。

アニメを細かく分析せず、純粋に楽しんで視聴しているファンからは「作画をそこまで気にしたことがない」「十分に面白い」という声も上がっています。SNSで批判が目立つだけで、実際には満足している視聴者も一定数存在するのです。

静止画が多い理由と制作事情

今回のワンパンマン3期の内容過去一で静止画乱用だったのでは…？特にここ！！！ pic.twitter.com/8jUPoTv3PL

— 【KIE】カフェみん🖌☕️ (@SSR_Cafe_M1n) December 15, 2025

第3期で静止画が多いという指摘の背景には、アニメ業界全体が抱える深刻な問題があります。制作陣の手抜きと断定するのは難しい状況です。

最大の要因は、制作スケジュールの厳しさです。近年、アニメの本数が増加し続ける一方で、アニメーターの人手は慢性的に不足しています。限られた時間の中で作品を完成させるため、動画枚数を減らさざるを得ない状況が生まれているのです。

さらに、コロナ禍以降、制作体制の変更や遅延が業界全体で頻発しました。リモートワークへの移行により、従来のような密な連携が難しくなり、クオリティコントロールにも影響が出ています。

また、アニメはお金だけでなく、人材の質と量が決定的に重要です。「資金があっても人手が足りない」という声もあり、予算を増やせば全てが解決するわけではありません。監督、コンテマン、原画マン、そして原作者の意欲が奇跡的に調和したときに名作が生まれるのであり、それは簡単に再現できるものではないのです。

こうした業界全体の事情を踏まえると、静止画が多いという批判も、単純に作品の質だけでは語れない側面があります。むしろ、限られた条件の中でどこまでクオリティを保つかという挑戦が続いているとも言えるでしょう。

キャラデザ変更への賛否両論

第3期のキャラクターデザインについては、賛否が大きく分かれています。変化を感じ取った視聴者は多いものの、その評価は一様ではありません。

否定的な意見としては、「キャラの顔が違う」「別人のように見える」という指摘があります。特に第1期のキャラデザが記憶に強く残っているファンほど、違和感を覚える傾向があるようです。表情のトーンや線の描き方が変わったことで、同じキャラクターとは思えないという声も聞かれます。

一方、肯定的な意見も存在します。第2期よりも村田版の漫画に近いデザインになったことを評価する声があり、「原作ファンとしては嬉しい」という感想も見られます。第2期のテカテカした質感が苦手だった人にとっては、第3期のデザインの方が好ましいというわけです。

視聴を続けるうちに慣れてきたという声もあります。最初は違和感があっても、数話見ているうちに「これはこれでアリかも」と感じるようになったファンも少なくないのです。

結局のところ、キャラデザの評価は個人の好みに大きく左右されます。絶対的な正解はなく、何を重視するかによって判断が分かれる部分だと言えるでしょう。

今後のクオリティ改善の可能性

全部1から作り直してほしい、今やってるワンパンマン3期はファンムービーだと思って見てる https://t.co/FXvgcH7drj

— しますけ。 (@shimasan_tora) December 16, 2025

第3期の今後については、クオリティが向上する可能性も残されています。本編初回の前週に振り返り特番が放送された理由の一つとして、本編のクオリティを上げるための調整時間確保があったのではないかという見方もあるからです。

アニメ制作では、序盤の話数はスケジュールが厳しく、後半になるにつれて余裕が生まれることがあります。視聴者の反応を見ながら修正を加えることも可能であり、中盤以降で作画や演出が向上する例は珍しくありません。

特に注目されているのが、今後のバトルシーンです。事前に公開された映像の中には、かなり高品質な戦闘シーンも含まれていました。これらが実際の放送でどう仕上がるかが、第3期の評価を大きく左右するでしょう。

また、円盤版での修正も期待されています。テレビ放送版では間に合わなかった作画や演出を、Blu-ray版でブラッシュアップする例は多数あります。本当のクオリティは、円盤版を見てから判断すべきだという意見もあるのです。

ただし、根本的なスケジュールや制作体制の課題が解決しない限り、劇的な改善は難しいという冷静な見方もあります。過度な期待は禁物かもしれません。

怪人協会編への期待と不安

第3期で描かれる「怪人協会編」は、原作でも最大級の盛り上がりを見せるエピソードです。ヒーロー協会と怪人協会の全面戦争が展開され、数多くの激しい戦闘シーンが繰り広げられます。

期待の声としては、S級ヒーローたちの総力戦が遂にアニメで見られるという興奮があります。フラッシュ、童帝、アトミック侍、ゾンビマン、タツマキなど、個性豊かなヒーローたちの活躍が次々と描かれる展開は、原作ファンにとって待望のシーンばかりです。

そして何より、サイタマ対ガロウの決着が最大の見どころとなります。このクライマックスがどのように描かれるかによって、第3期全体の評価が決まると言っても過言ではありません。

複数クールでの放送を期待する声もありますが、具体的な話数やスケジュールは明らかになっていません。もし決着を描かずに終わってしまえば、ファンの不満は大きくなるでしょう。

また、この長大なエピソードを作画のクオリティを保ったまま完走できるかという技術的な不安もあります。序盤で既に動きが少ないという指摘がある中、後半のクライマックスで力尽きてしまう可能性も考えられます。

とはいえ、約6年も待たされたファンとしては、怪人協会編を最後までしっかりと描き切ってほしいという期待があります。この期待に応えられるかどうかが、第3期の成否を分けるポイントになるでしょう。

総括：ワンパンマン3期がひどいと言われる理由を徹底解説